闇市とは

 

 闇市とは、太平洋戦争終了(1945年8月15日)以降~1940年代後半まで、各地に展開された非公的な市場でした(*1)。闇市では、主に生活必需品が売買されました(*1)。闇市の場所は、国鉄、私鉄、バスなどの路線が集中する駅の周りに形成されました(*1)。太平洋戦争終了時、テキヤ組織が長年築き上げたネットワークを活かし、闇市の形成に素早く関わっていたことから(*2)、テキヤ組織が各地の闇市の運営・管理を担っていたことが考えられます。例えば新宿駅東口の闇市(新宿マーケット)は、尾津組(尾津喜之助)により運営・管理されていました(*1)。池袋の闇市では、テキヤ組織として新興勢力だった関口グループ(関口愛治)が関与していました(*3)。後に、関口グループ(極東会)は池袋の裏社会で大きな影響力を持ちました。当時、生活必需品は表向き公定価格で売買されることになっていました(*4)。闇市では文字通り、生活必需品が「公定価格ではない価格」で売買されていました(*4)。

 

<引用・参考文献>

*1 『テキヤはどこからやってくるのか? 露店商いの近現代を辿る』(厚香苗、2014年、光文社新書), p99-100

*2 『テキヤはどこからやってくるのか? 露店商いの近現代を辿る』, p104

*3 『SANWA MOOK ウラ社会読本シリーズ⑤ 極東会大解剖 「強さ」を支えるのは流した血と汗の結晶だ!』(実話時代編集部編、2003年、三和出版), p51

*4 『テキヤはどこからやってくるのか? 露店商いの近現代を辿る』, p102

自社株買い

 

 自社株買いとは、文字通り、企業が流通している自身の株を買うことです(*1)。企業は所有した自社株には配当できません (*1)。自社株買いにより、1株当たりの配当額は増加します。例えばA企業において、配当金が1億円で、発行株式数が12,000株だったとします。1株当たりの配当金は8,333円になります。しかしA企業は配当前に自社の2,000株を買います。自社株買いの2,000株は配当対象から外れる為、10,000株に対し配当金が配られます。1株当たりの配当金は10,000円になります。自社株をしたことにより配当金が増加しました。

 

<引用・参考文献>

*1 『株のからくり』(奥村宏、2007年、平凡社新書), p133

仕手株

 

 株式市場で価格操作された株は「仕手株」と呼ばれます。仕手株を仕掛ける集団が仕手集団です。仕手集団は株価低迷の会社を狙います(*1)。売買成立数が少ない時に、仕手集団は狙いの会社株を買い集め、株価を上昇させます(*1)。株価上昇に誘われて、仕手集団以外の投資家の買いが入り、さらに株価が上昇します(*1)。仕手集団以外の投資家の買いによる株価上昇局面は「提灯がつく」と言われます(*1)。

 

 提灯がついた局面で、仕手集団は仕手株を売れば利益を得られます。仕手集団による売りの局面で「仕手株空売り」を行う投資家がいます(*1)。仕手株の価格が暴落すると判断し、空売りを行うのです(*1)。空売りとは、投資家が証券会社から株を借り、市場で売り買い戻すことで利益を得る投資手法です(*1)。投資家が証券会社から借りてきた株を株価2,000円の時に売り、その後1,000円まで下落した時に買い戻せば、1,000円の利益になります(*1)。買い戻された株は証券会社に返却されます。

 

 証券会社は無料で株を貸すのではなく、委託保証金もしくは代用の証券を投資家に要求します(*1)。仕手株空売りする投資家にとって、悪い展開は仕手株が上昇することです。2,000円で売った株が3,000円に上昇した局面で、株の返却が迫っていれば、3,000円で買い戻すことを余儀なくされます。投資家は1,000円の損です。また空売りした株が、上昇した場合、追加の委託保証金(追証)を証券会社から求められます(*1)。追証の負担から、投資家は値が上昇した株を買い戻すことがあります(*1)。

 

 仕手集団は「空売りを行う投資家」を狙います。提灯がついた局面で仕手集団は一度仕手株を売り下落局面を匂わせ、「空売りを行う投資家」を呼び込みます。空売りが行われた後、仕手集団は再度仕手株を買い集め、仕手株の価格を再度上昇させます(*1)。「空売りを行った投資家」は損失覚悟で仕手株を買い戻します(*1)。「空売りを行った投資家」に仕手株を高値で売るのは仕手集団です(*1)。

 

 仕手集団はこの時点で全ての仕手株を売ります(*1)。「大きな買い手」だった仕手集団がいなくなることで、仕手株の価格は一気に下落します(*1)。仕手株において「損」の役回りを演じるのは、会社と既存株主と一般投資家です。

 

<引用・参考文献>

*1 『株式市場の黒幕とヤクザマネー』(松本弘樹、2009年、宝島SUGOI文庫), p42-47

マーチンゲール法

 

 1/2確率で勝てる賭博の必勝法として知られているのがマーチンゲール法です(*1)。1/2確率賭博の1つに丁半があります。丁半は、勝った場合賭け金と同額の配当金がもらえ、負けた場合賭け金が没収されます(*2)。マーチンゲール法とは、「負けた際の賭け金の倍額」を次の勝負の賭け金とする方法です(*1)。

 

 例えばA氏は丁半1回目の勝負で、丁に1万円賭けたものの、半が出て1万円没収されます。2回目、A氏は1万円の倍額の2万円を半に賭けますが、丁が出て2万円没収されます。3回目、A氏は2万円の倍額の4万円を半に賭け、半が出て4万円の配当金をもらいます。丁半(1~3回)におけるA氏の収支は、1回目マイナス1万円、2回目マイナス2万円、3回目プラス4万円で、計プラス1万円です。

 

 負け続けても、最後に勝てれば、収支をプラスにさせられるのがマーチンゲール法の魅力です。しかし負け続けているうちに、賭け金がなくなることがあります。お金持ちのみとれる策ともいえます。

 

<引用・参考文献>

*1 『賭けずに楽しむ日本の賭博ゲーム』(伊藤拓馬、2015年、立東舎), p32

*2 『賭けずに楽しむ日本の賭博ゲーム』(伊藤拓馬、2015年、立東舎), p16-17

置屋

 

 江戸時代から性的サービスを提供した店が遊廓です(*1)。しかし遊廓は、性的サービスの実務を担う女性(売春婦)を抱えてはいませんでした。売春婦を管理していたのは置屋という店です(*1)。置屋が遊廓の要請により、売春婦を送り出していました(*1)。遊郭は「性的サービスの場所貸し」という役割でした(*1)。ラブホテルの意味合いに近いです。

 

 京都府京都市にかつて五条楽園という遊廓街がありました(*2)。江戸末期に生まれた遊廓街でしたが(*2)、 2010年の摘発により遊廓街の役割を終えました(*3)。五条楽園の場合、遊廓の役割を果たすのが「お茶屋」です(*2)。お茶屋は売春婦を置屋から呼びます(*2)。1988年時点で五条楽園には、お茶屋が約20軒、置屋が3,4軒存在していました(*2)。

 

 五条楽園の分業体制と異なるのが、大阪の飛田新地です。飛田新地の場合、「料亭」が客に場所を貸し、「料亭」の仲居が売春婦の役割を担います(*4)。料亭が性的サービスに関することを全て扱っています。

 

<引用・参考文献>

*1 『フーゾク資本論 なぜセックスは「巨万の富」を生むのか?』(岩永文夫、2015年、文庫ぎんが堂), p172

*2 『消えた赤線放浪記 その色町の今は…』(木村聡、2016年、ちくま文庫), p215-221

*3 『青線 売春の記憶を刻む旅』(八木澤高明、2015年、スコラマガジン), p123

*4 『週刊実話』2015年10月22日号「風俗新潮流 第22回 大阪・飛田新地」(慶封水著), p73

ノミ屋の配当率

 

 ノミ屋では公営ギャンブルを活用した賭博サービスが提供されます。ノミ屋の存在は違法です。またノミ屋を利用することも違法です(*1)。ノミ屋は公営ギャンブル開催者と同様、胴元の役割を果たします。ノミ屋は客から買い目と金額を電話で受け付け、当たった客に配当金を渡します(*1)。客は馬券や車券という券を購入する必要はなく、外れた場合、後日ノミ屋に賭け金を渡します(*1)。配当金も後日、ノミ屋にから客に渡されます(*1)。

 

 ノミ屋の配当率は、公営ギャンブル開催者の配当率を参照にしています(*1)。しかしノミ屋は控除率公営ギャンブル開催者に比し低いので、配当率は高くなります(*1)。公営ギャンブル開催者の窓口において正式購入した場合、客が大穴狙いで多額の賭け金を投入すると、配当率の計算式により、配当率は下がります(*2)。しかしノミ屋の場合、多額の賭け金を投入しても、配当率は下がりません(*1)。ノミ屋の配当率は、公営ギャンブル開催者の配当率を参照にするものの、固定的にしているのだと推測されます。大穴狙いで儲けたい客にとって、ノミの存在は有難いです。

 

 ノミ屋はレース結果によって、客に多額の配当金を渡す場合がある為、配当金の上限を 設定しています(*3)。また中小規模のノミ屋は、多額の賭け金が投入された場合、配当金支払いを大規模なノミ屋に頼ることもあるようです(*3)。

 

<引用・参考文献>

*1 『現代ヤクザ大事典』(実話時代編集部編、2007年、洋泉社), p192

*2 『オッズキングダム オッズで勝つ!極上馬券GETまでのセオリー』(大谷清文・奥野憲一・互當穴ノ守、2018年、ガイドワークス), p94-95

*3 『裏経済パクリの手口99』(日名子暁、1995年、かんき出版), p102-103

美人キャバクラ嬢

 

 キャバクラ嬢には高い会話技術が求められます。客に提供するサービスが「コミュニケーション」に限られているからです。会話技術が低い美人キャバクラ嬢が、店を辞めていくケースは多いといわれています(*1)。最初、美人ゆえに客がつきますが、時間が経つと会話技術の低さにより客が離れていきます(*1)。会話技術の低い美人キャバクラ嬢は常連客を獲得しにくいと考えられます。

 

 会話技術の低い美人キャバクラ嬢が、稼げた時代に贅沢を覚えた為、デリヘルに転職するケースがあります(*1)。性風俗店の場合、「性的サービス」+「コミュニケーション」の2つを客に提供します。性風俗店の嬢は、会話技術が低くても、「性的サービス」の面で補うことができます。性風俗の中で「コミュニケーション」の割合が低いのがピンサロといわれています(*1)。ピンサロは低料金ゆえに、客が嬢の会話技術に期待していないことが要因として考えられます。

 

<引用・参考文献>

*1 『日刊ゲンダイ』2017年8月15日号(14日発行)「風俗店長激怒 こんなヤツらは死んでしまえ!」