仕手株

 さてこの前は、『仕手株でしっかり儲ける投資術』本を読みました。著者は中原圭介さん。以前週刊現代で中原さんが連載をされていた時に知りました。分かりやすい文章が特徴で、私にもよく理解できた連載でした。この本も分かりやすかったです。そして中原さんご自身が実際仕手株に便乗して儲けた経験を書かれていますので、具体的です。もちろん「仕手株を仕掛けること」は、いけないことですし、法律違反でもあります。一方、この本の内容である「仕手株らしきことに、便乗して儲けること」は、微妙ですが許されるのでしょう。

 

*また以前、仕手株を実際動かした経験がある松本弘樹さんという方が書かれた『仕手の現場の仕掛け人 真実の告白』という本を読んだことがあります。こちらの松本さんは、「仕手株に便乗して儲けただけの人」ではなく、「仕手株の仕掛け人」です。本の内容も、具体的な方法が書かれており、読み応えがあります。

 

 

 これらの本を参考にして、私なりに仕手株とその儲け方をまとめてみます。

 

① まず仕手筋という集団がいます。この人たちが「仕手株で儲けようぜ」とたくらんでいます

 

② 最初に仕手筋は、上場しているある会社(A社とします)に狙いを定めます

 

③ そして仕手筋は、A社の株を沢山買っていきます。当然A社の株は、上がります

*A社株のことを、「仕手株」といいます

 

④ A社の株が上がり出すと、株をやっている個人投資家は「おー。A社株上がっている。俺も今のうちに、買っておくぞ」とA社株を買ってしまいます

 

*もちろん、この時点で仕手筋が、個人投資家にA社株を売ってしまえば、儲けられます。しかしそれぐらいでは、大した儲けにはなりません。よってさらにA社株を高値にすることが必要なのです

 

⑤ 上がり続けるA社株ですが。しかし仕手筋としては、もっとA社株を持つ必要があります。つまり個人投資家から、A社株を買うのです。もちろん仕手筋はずる賢いですから、個人投資家から「安く買える」ように工夫します。例えば「A社株はそれほど上がらない」と個人投資家に思わせて、個人投資家に「A社株今のうちに売っとこう」という雰囲気にしていきます。以上の詳細は、長くなりますので省きますが、巧妙な情報操作を仕手筋が行います。

 

⑥ 仕手筋は、個人投資家から「安く買った」A社株を以前より、沢山持つことができました。もちろんこの時点では、A社株は下がっています。そしてA社株をさらに大きく上げていくために、仕手筋は「仲間」にも協力して、「わざと高値でA社株」を大量に買っていきます。例えば、「実際は100万円ぐらいで買われている車」を、大勢の人が「この車。300万円で買う」と言うようなことです。つまり「価格の釣り上げ」ですね

 

⑦ それを見ていた個人投資家は、「あれ一度下がったA社株が、また上がっているよ。やっぱり買った方がいいのかな」と思ってきます。先ほどの車の例を使うと、「実際は100万円ぐらいで買われている車」だけど、「300万円で買う」などの声が多ければ、「この車は300万円ぐらいの価値があるのかな」と錯覚してしまうようなことです

 

⑧ そして個人投資家は「よし。俺は買う」とA社株を買ってしまいます。A社株を買った個人投資家は「これからも上がるから。安値で買った方だ」と思っています。しかしスタート時に比べれば、「高値で買った」ことは事実です

 

⑨ そして個人投資家にA社株を売ったのが仕手筋です。ここで「仕手株の儲け」がようやく出てきます。つまり仕手筋は、「高値で個人投資家に売る」ことに成功した訳です。A社株はその後、「主な担い手であった仕手筋」が消えてしまったので、株価は下がってきます。車の例でいえば、「実際は100万円ぐらいで買われている車」だけど、「300万円で買う」などの声がなくなってしまうことです。周りの人は、はっと冷静になり「この車。やっぱり100万円ぐらいが妥当だなよ」と思い始めます。結局個人投資家は損をしてしまいます。

 

 以上が私流の仕手株の解釈です。こう見てきますと、仕手株という仕組みから、株の実態がよく分かってくるのです。結局仕手株にしろ、株で儲けるコツは「“高値で買う側”を作る」ことです。「トランプのババを引いてくれる相手」を意図的に仕立てるようなことです。

 

 翻り昨年11月半ば頃から、日本の株価が上がっていて、若干ざわつきました。しかし日本経済や日本企業の中身は全然良くなっていません。「これからも株価が上がりそうな雰囲気」を誰かが作っていて、さらに「今買っとかないといけないよ。後で買ったら高値掴みだよという雰囲気」を誰かが作っているような気がします。そして個人投資家や我々が「高値掴みはしない。今買っとく」と思ったものの、結局は「高値掴み」してしまっていた…。「損をさせる人を作ってやる」と意気込んだものの、自分が「損をしてしまった人」になっていることはよくあることです。そうならないよう、注意していかないといけませんね。