ウイスキーとは何か

 ウイスキーは高いアルコール度数を特徴とするお酒です。アルコール度数は40度。アルコール度数5度のビールのように、一気に飲み干す飲酒方法は適しません。時間を掛けて少量を飲む方法か、炭酸水か水で割って飲む方法になります。しかしアルコール度数の高さの割に、ストレートで飲む場合、酔いの速度は遅いです。ウイスキーの高いアルコール度数は口の中を強く刺激する為、少しずつしか飲めません。結果、アルコールの摂取量・摂取速度が抑制されます。食事中の喉の渇きを癒す食中酒としては不向きで、食後酒として主に飲まれています。

*今回記事を作成するにあたり、読売新聞2015年1月5日の記事、『白熱日本酒教室』(杉村啓著、星海社新書)、サントリーホールディングス株式会社サイト、国税庁サイト(「酒類課税数量の推移(国税局分)」)の情報を参考にさせて頂きました。

 ウイスキーの需要は、時代と共に変化しています。お酒は嗜好品の為、特別に税金が掛けられる商品です。法治が行き届いた日本において密造酒の存在は小さいです。普及するお酒の大半が課税されています。課税数量の推移によって、各酒の需要の変化を知ることができます。国税庁サイト「酒類課税数量の推移(国税局分)」のデータによれば、ウイスキーの課税数量は、1970年「約13万kℓ」、1975年「約22万kℓ」、1980年「約33万kℓ」、1985年「約25万kℓ」、1990年「約16万kℓ」、1995年「約11万kℓ」、2000年「約10万kℓ」、2005年「約6万kℓ」、2010年「約8万kℓ」という数字を示しています。1970~80年代ウイスキーは高い需要を持っていました。しかし1990年代以降、ウイスキーの需要は下降線を描きます。背景には焼酎やワインの台頭があります。

 焼酎はウイスキーと同じ蒸留酒です。アルコール度数は約25度で高いですが、ウイスキーよりは低いです。実際ウイスキーより、ストレートで飲む際、飲みやすいです。価格の安さも特長です。また原料によって味が大幅に変わる為、違いを楽しむことができます。主要な原料である芋、麦、米以外に、黒糖、栗、しそ等も焼酎の原料として使われています。一方、ウイスキーは高いアルコール度数を持つ為、それぞれのウイスキーの違いを素人は実感しにくいです。ワインはビールや日本酒と同じ醸造酒です。アルコール度数は約14度で、日本酒と同程度です。ぶどうを原料にする為、フルーティーな味・香りを特徴とする為、受け入れられやすいです。

 ウイスキーの製造方法は多くの工程を必要とします。原材料は大麦です。大麦を発芽・乾燥させて麦芽を作ります。粉砕した麦芽と温水を混ぜる過程で、麦芽のデンプンは糖分に変わります。酒造りにおける、糖化と呼ばれる作業工程です。糖化された麦汁に、酵母を加えます。酵母は糖分を発酵させアルコールと二酸化炭素を作る役割を果たします。発酵工程によって麦汁はアルコール分を獲得します。しかしアルコール度数は10度未満です。蒸留という工程を加えることで、アルコール度数を高めていきます。蒸留は沸点の違いを活かして目的物質のみを抽出させる手法です。蒸留器の中で加熱し、沸点が早いアルコールを気体に変えて分離させます。気体になったアルコールは冷却されることで、液体に戻ります。アルコール度数は高まり、ウイスキーの原酒は完成します。その後、樽に入れられ、熟成の工程を経ます。最後の工程がブレンドです。多種類のウイスキーを混ぜることで、飲みやすいウイスキーが生まれます。

 ウイスキーの種類は大別して3つあります。大麦麦芽だけを原料とするモルトウイスキー、トウモロコシやライ麦や小麦を原料とするグレーンウイスキーモルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜたブレンデッドウイスキーの3つです。モルトウイスキーは独特の味で豊かな香りを特徴としています。1つの蒸留所で作られたモルトウイスキーをブレンドした物はシングルモルトウイスキーと呼ばれます。複数の蒸留所のモルトウイスキーをブレンドした物はブレンデッドモルトウイスキーと呼ばれます。生産が限られる為、モルトウイスキーは高額商品です。グレーンウイスキーは軽い味ですが、香りが薄く、主にブレンデッドウイスキーのブレンドとして使用されます。ブレンデッドウイスキーは市場で最も普及しているウイスキーです。独特のモルトウイスキーと軽さを持つグレーンウイスキーが混ざることで、落ち着いた味になっています。

 世界のウイスキーは主に5つの場所で作られています。イギリスのスコットランド地方、アイルランド、カナダ、アメリカ、日本です。アメリカのウイスキーの1つにバーボンがあります。原料の51%以上にトウモロコシを使う等の条件を満たしたウイスキーがバーボンと呼ばれます。トウモロコシ生産大国アメリカを象徴するウイスキーです。日本では主にサントリーニッカウヰスキーアサヒビールグループ傘下)がウイスキーを製造しています。