住吉会の会長逮捕

 広域ヤクザ組織団体・住吉会会長の関功が、公職選挙法違反の疑いで千葉県警に逮捕されたことが、6月7日明らかになりました。住吉会は日本最多の構成員を持つ山口組に次ぐ構成員数を抱えています。『実話時代』2014年5月号によれば、構成員は4200名、準構成員は5300人となっています。住吉会はヤクザ組織の1次団体で、加盟する2次団体の連合体の色合いが濃い組織形態をとっています。同じ1次団体の山口組や稲川会も、実質は2次団体の連合体です。しかし山口組や稲川会は、2次団体を「下部団体」とし、1次と2次団体の間に上下関係を作り上げています。つまり山口組と稲川会は加盟団体に対して「垂直的関係」を持つ1次団体です。一方、住吉会は加盟団体に対して、「水平的関係」を持つ1次団体です。組織の水平性は、3人のトップの存在によって表されています。会長の関功、前会長の福田晴瞭、元会長の西口茂男の3人です。2014年4月まで会長を務めていた福田晴瞭は現在も住吉一家七代目総長という重要職に就いています。元会長の西口茂男も組織内で影響力を持っているとされています。住吉会は三頭体制と言えます。

 

 今回、会長の関功は4月12日投開票の千葉県議選において、3月上旬いすみ市の飲食店で有権者らを接待し、県議選いすみ市選挙区に立候補予定の男性への投票や票の取りまとめを依頼した疑いで、逮捕されました。関功の出身母体は、住吉会の2次団体・共和です。共和は、千葉県北部中央に位置する富里市を拠点にしています。一方、事件の発端となっていすみ市は、太平洋に面する房総半島南部にあります。同じ県内でも離れた距離にあります。しかし1次団体の会長を輩出するヤクザ組織ゆえに、共和が千葉県一帯に影響力を及ぼしていると想像するのは難くありません。今回の事件から、ヤクザ組織による県政への浸食が浮かび上がってきます。ヤクザ組織が県政に食い込む大きな理由は、公共事業です。千葉県の公共事業の歴史が、ヤクザ組織とのつながりの濃さを物語っています。「ハマコー」の愛称で親しまれ、千葉県選出の浜田幸一衆議院議員は、長年千葉県内の公共事業に大きな影響力を持っていました。浜田幸一は稲川会系の元組員であったことは周知の事実です。公共事業においてヤクザ組織は深く関わってきます。ヤクザ組織との太いパイプが政治家・浜田幸一の力の源泉でした。

 

 会員制情報誌『選択』2015年4月号の第48回「土着権力の研究」によれば、近年千葉県の公共事業の重要人物だった元県土木部長を取り上げています。その元県土木部長が近年千葉県の公共事業を取り仕切る人物であったことを伝えています。記事で書かれていますが、その元県土木部長は今年3月、トラックにひかれ死亡しています。トラックの運転手が逮捕され、謀略の疑いは消えています。重要人物が不在となって、千葉の公共事業利権を巡り、争いが激しさを増していることは予想できます。混乱しているゆえに、千葉県警が県の公共事業の暗部に踏み込む絶好の機会でもあります。昨年秋以降、北九州市工藤会壊滅に成功を収めつつある福岡県警の存在は千葉県警にとって刺激になっているはずです。住吉会会長逮捕を突破口に、千葉県警は大きな事件の摘発を目論んでいるのかもしれません。