ピンサロ

 ピンクサロン略してピンサロは、1958年の売春防止法施行以降、誕生した風俗業態の1つです。ピンサロの客は、数十分数千円で女性従業員から口淫サービスを受けることができます。数千円という風俗料金としては低価格が特長です。ピンクサロンの源流を辿ると、アルバイトサロンがあります。1952年大阪のミナミにできた「ユメノクニ」店で始まったサービス業態はアルバイトサロンと呼ばれ、人気を博しました。1968年東京浅草にできた「ハワイ」が現在のピンサロサービスを提供した店としてされています。

*今回記事を作成するにあたり『フーゾク資本論 なぜセックスは「巨万の富」を生むのか?』(岩永文夫、2015年、文庫ぎんが堂)、『週刊実話』2015年11月26日号「風俗新潮流 第27回 激安風俗」(梶山カズオ著)の情報を参考にさせて頂きました。

 1969年東京五反田の店で“花ビラ回転”、1974年川崎の店で “二輪車プレイ”、1984年東京巣鴨の店で“大車輪サービス”というサービスが提供されるなど、ピンサロ業界は斬新なサービスを展開していきます。法律上、ピンサロ店は風俗店ではなく「飲食店」として位置づけられています。風営法により、風俗店は一般求人誌に求人広告を出せませんが、飲食店扱いのピンサロ店は一般求人誌に求人広告を出すことができます。求人広告においては、ピンサロ店は「高級ラウンジ」などと言い換えています。しかし飲食店で営業許可を取っている為、個室やシャワーを設置できないデメリットもあります。設置すれば、「風俗店」として見なされる疑いが濃くなるからです。つまりピンサロ店は、飲食店にも関わらず「飲食店業態では認められない性的サービス」を提供しているので、実質「違法な存在」なのです。ゆえに警察当局から摘発を受けやすいです。また個室やシャワーがないので、他の風俗業態より不衛生のイメージが付きまといます。

 「ピンサロの聖地」として1990年代有名になったのが神奈川県平塚市です。『週刊実話』2015年11月26日号「風俗新潮流 第27回 激安風俗」(梶山カズオ著)によれば、一時期、JR東海道線平塚駅周辺に50軒近くのピンサロ店がありました。しかし2015年10月時点においては、駅周辺に20軒近くしか残っていません。減少の背景には、先述したように、摘発が多くなったことや不衛生のイメージがあります。

 ピンサロ店で働く女性従業員の給料については、『フーゾク資本論 なぜセックスは「巨万の富」を生むのか?』(岩永文夫、2015年、文庫ぎんが堂)が詳しいです。『フーゾク資本論 なぜセックスは「巨万の富」を生むのか?』によれば、北関東の某ピンサロ店で働いていた21歳の女性の当時の収入の話が取りあげられて、「まず、出勤さえすれば一日に一万八〇〇〇円ほどがつく。これを“保証”といい、ピンサロ系のほとんどの店で採用されている。(略)時給二五〇〇円から三〇〇〇円くらいが相場で、一日の実働を六時間とすると、一万五〇〇〇円~一万八〇〇〇円になる。これに客の本数(人数)による手当や、一本二〇〇〇ほどになる指名料のかえしがプラスされる。これを含めるとだいたい三万円になるという」(p215-216)となっています。