野球賭博の配当金額の決まり方

 野球賭博の配当金額(没収金額)は、試合結果によって、決まり方が異なってきます。野球賭博の世界では、ハンデが存在する為、同じ試合でも「実際の試合結果」と「野球賭博上の試合結果」が異なる場合があります。例えば、巨人対阪神の試合で、「巨人の1.5」ハンデが付いたとします。実際の試合結果は、巨人が阪神に5対4で勝利を収めたとします。しかし野球賭博上では、「巨人の1.5」ハンデつまり巨人にマイナス1.5点が加わります。結果、野球賭博上では「阪神4点、巨人3.5点」となり、勝者は阪神に入れ替わります。野球賭博を理解する際、「実際の試合の勝敗結果」と「野球賭博上の勝敗結果」を区別して、考えることが重要です。

 ハンデは、対戦する2チームの中で相対的に強いチームに与えられます。日本の野球賭博において、ハンデは最大で2点ぐらいとされています(*1)。つまり強いチームに「マイナス2点」が、野球賭博におけるハンデの上限とされています。野球賭博において、賭けに勝った客は、最高で「賭け金2倍」の配当金を受け取れます(*2)。基本的に2倍より上の倍率はありません。ちなみに野球賭博において、胴元は客から1試合だけの賭博を受けることはなく、複数の試合の賭博を受けています(*2)。

① 実際の試合で、ハンデ無しチームが勝利したケース

 例えば巨人対阪神戦で、「巨人の1.5」ハンデが付いたものの、阪神が巨人に4対3で勝利を収めたとします。野球賭博上では、「阪神4点、巨人1.5点」となるので、阪神の勝利です。

・ハンデ有りチーム(巨人)に10万円賭けていた客(賭けに負けた側)

→賭け金全額の10万円が没収されます

・ハンデ無しチーム(阪神)に10万円賭けていた客(賭けに勝った側)

→「賭け金」(10万円)×「2倍」の計算式により、20万円の配当金を受け取れます

*しかし胴元から手数料1割(2万円)が引かれるので、18万円が手取り分となります

② 実際の試合で、ハンデ有りチームの1点差勝利のケース(野球賭博上でも勝利)

 例えば巨人対阪神戦で、「巨人の0.5」ハンデが付いて、巨人が4対3で阪神に勝利を収めたとします。野球賭博上でも、「巨人3.5点、阪神3点」となるので、巨人の勝利です。この場合、「賭け金」×「野球賭博上の点差」の計算式によって配当金額及び没収金額が決まります(*3)。

・ハンデ有りチーム(巨人)に10万円賭けていた客(賭けに勝った側)

→「賭け金」(10万円)×「野球賭博上の点差」(0.5)の計算式により、5万円の配当金を受け取れます

*しかし胴元から手数料1割(5千円)が引かれるので、4万5千円が手取り分となります

・ハンデ無しチーム(阪神)に10万円賭けていた客(賭けに負けた側)

→「賭け金」(10万円)×「野球賭博上の点差」(0.5)の計算式により、5万円が没収されます

③ 実際の試合で、引き分けやハンデ有りチームの1点差勝利のケース(野球賭博上では負け)

 例えば巨人対阪神戦で、「巨人の1.5」ハンデが付いて、巨人が4対3で阪神に勝利を収めたとします。しかし野球賭博上では、「阪神3点、巨人2.5点」となるので、阪神の勝利となります。「実際の試合の勝者」は巨人で、「野球賭博上の勝者」は阪神となったのです。野球賭博の世界では、「野球賭博上の勝者」に賭けた客が勝ちとなり、配当金を受け取る立場を得ます。つまりこの場合、「実際の試合に負けた阪神」に賭けた客が、配当金をもらいます。逆に、「実際の試合に勝った巨人」に賭けた客が、賭け金を没収されます。この場合も、「賭け金」×「野球賭博上の点差」の計算式によって配当金額及び没収金額が決まります。また引き分けの場合、ハンデ有りチームが当然野球賭博上では「敗者」となります。ハンデ無しチームに賭けていた客が配当金を受け取れ、ハンデ有りチームに賭けていた客は賭け金を没収されることになります。

・ハンデ有りチーム(巨人)に10万円賭けていた客(賭けに負けた側)

→「賭け金」(10万円)×「野球賭博上の点差」(0.5)の計算式により、5万円が没収されます

・ハンデ無しチーム(阪神)に10万円賭けていた客(賭けに勝った側)

→「賭け金」(10万円)×「野球賭博上の点差」(0.5)の計算式により、5万円の配当金を受け取れます

*しかし胴元から手数料1割(5千円)が引かれるので、4万5千円が手取り分となります

④ 実際の試合で、ハンデ有りチームの2点差勝利のケース(ハンデが0.3~1.7の場合)

 例えば巨人対阪神戦で、「巨人の1.7」ハンデが付いて、巨人が4対2で阪神に勝利を収めたとします。野球賭博上では、「巨人2.3点、阪神2点」と点差が縮まりますが、巨人の勝利です。ハンデが0.3~1.7の場合、ハンデ有りチームが2点差つけて勝つと、「賭け金」×「野球賭博上の点差」の計算式は用いられません。配当金額は賭け金の2倍、没収金額は全額となります。

・ハンデ有りチーム(巨人)に10万円賭けていた客(賭けに勝った側)

→「賭け金」(10万円)×「2倍」の計算式により、20万円の配当金を受け取れます

*しかし胴元から手数料1割(2万円)が引かれるので、18万円が手取り分となります

・ハンデ無しチーム(阪神)に10万円賭けていた客(賭けに負けた側)

→賭け金全額の10万円が没収されます

⑤ 実際の試合で、ハンデ有りチームの2点差勝利のケース(ハンデが1半3、1半5、1半7、2の場合)

*1半3、1半5、1半7のハンデ内容が複雑なので、ここは割愛させて頂きます

⑥ 実際の試合で、ハンデ有りチームの3点差以上勝利のケース

 例えば巨人対阪神戦で、「巨人の2」ハンデが付いて、巨人が5対2で阪神に勝利を収めたとします。野球賭博上では、「巨人3点、阪神2点」と点差が縮まりますが、巨人の勝利です。「ハンデの上限の2点」を超える3点差以上の勝利をハンデ有りチームが収めた場合、どんなハンデでも、ハンデ有りチームに賭けた客の「勝ち」となります。

・ハンデ有りチーム(巨人)に10万円賭けていた客(賭けに勝った側)

→「賭け金」(10万円)×「2倍」の計算式により、20万円の配当金を受け取れます

*しかし胴元から手数料1割(2万円)が引かれるので、18万円が手取り分となります

・ハンデ無しチーム(阪神)に10万円賭けていた客(賭けに負けた側)

→賭け金全額の10万円が没収されます

<引用・参考文献>

*1 [別冊宝島Real]『ヤクザより悪い男たち』(古市満朝、2016年、宝島社), p122~125

*2 『極道たちの塀の中』(小田悦治、1993年、にちぶん文庫), p58~60

*3 『現代ヤクザ大事典』(実話時代編集部編、2007年、洋泉社), p192