ハワイ不動産投資

 アメリカ合衆国ハワイ州への投資対象として、主に2つあります。ハワイの不動産と会社です。ハワイの会社については、M&Aにより経営権を手に入れる方法です。ここでは不動産について説明してきます。不動産投資の利点の一つとして、大災害でも起きない限り、価格がゼロにはならないことがあります。株投資の場合、株を発行する会社が潰れてしまえば、株は無価値になります。ハワイ不動産の投資は1980年代後半、日本企業において盛り上がりを見せました。ワイキキをはじめハワイのあらゆる所のホテル、ショッピングセンターやゴルフ場を日本企業が投資しました。しかし1990年代以降、バブル経済の崩壊により、日本企業はハワイ不動産の投資を手控えるようになりました。

*今回記事を作成するにあたり『日本人が知らなかった海外投資ハワイ編』(小林護、2007年、翔泳社)の情報を参考にさせて頂きました。

 とはいえハワイ不動産自体は変動を伴うものの、一定の人気を持ち続けています。要因として、観光地・ハワイの集客力の高さがあります。日本のみならず世界規模で観光客を呼べているところに強みがあります。歴史的に移民受け入れに柔軟な対応を示してきたアメリカ合衆国には他国出身者が集まりやすく、人口減になりにくい社会です。ハワイの人口も減少しにくいです。日本の多くの地域が人口減に陥り、地価の下落に遭っています。ハワイ不動産は魅力的に映ってしまいます。加えて、アメリカの他州と異なる利点として、ハワイにおける日本語の浸透があります。不動産投資には、売主、不動産会社、銀行など沢山の関係者との交渉行為が発生します。確かな不動産情報を仕入れる為に、精通した人物と話し合うことも必要になってきます。株や投資信託に比べて、より個別具体的な要素が購入価格に絡んでくるのが不動産です。海外投資の中でも不動産投資が語学力を最も求められます。しかしハワイの場合、日本語に通じた不動産関係者が多く、外国語コミュニケーションのハードルが低くなっています。19世紀後半以降のハワイの日本人移民により、現在ハワイには日系人が一定数います。日系人の背景もあり、ハワイで日本語が通じるようになっています。

 ハワイの不動産投資の具体例として、『日本人が知らなかった海外投資ハワイ編』(小林護、2007年、翔泳社)によれば、①ホテルオペレーション付ワイキキコンドミニアム、②ホテルオペレーションなしワイキキコンドミニアム、③ワイキキ郊外への投資、④ゴージャスな一戸建てへの投資、⑤タイムシェア型ホテルコンドミニアム、⑥商業ビルへの投資、があります。

① ホテルオペレーション付ワイキキコンドミニアムは、ワイキキのコンドミニアムに、ホテルシステムを加えたタイプです。コンドミニアムは、自炊できるようキッチンが装備されており、中期滞在の家族者向けの宿泊施設です。このコンドミニアムの場合、加えて受付があり、ホテルのようにチェックインとチェックアウトサービスをしてくれます。ホテルの要素も入っている為、短期滞在者の観光客にも貸し出せる点に特徴があります。購入すれば、購入者はハワイ滞在時に無料で宿泊できるとともに、ハワイ非滞在時にはコンドミニアムを貸し出して賃料を受け取ることができます。しかしホテルオペレーションの対価として、メンテナンス料が高くなります。

② ホテルオペレーションなしワイキキコンドミニアムは、ワイキキの一般的なコンドミニアムのタイプとなる。ホテルオペレーションがないので、中~長期滞在者に貸し出すことになります。対象は、ハワイの定住者、留学生や駐在員などです。

③ ワイキキ郊外への投資においては、郊外の不動産投資になる為、借り手はハワイの定住者や留学生となります。購入価格は安く済みます。

④ ゴージャスな一戸建てへの投資ですが、「投資用」としては不向きです。自分が住む「購入用」と異なり、「投資用」は他者に貸し出す必要があります。お金持ちであれば「ゴージャスな一戸建て」を買いたい人は一定数います。しかし「ゴージャスな一戸建て」を借りたい人はあまりいません。需要が少ないです。

⑤ タイムシェア型ホテルコンドミニアムは、1年間のうち一定期間コンドミニアムを利用できる権利のことです。よってタイムシェア型ホテルコンドミニアムの場合、1室に多数の所有者がいます。よって貸し出す期間が限られる為、投資目的で購入されることは少ないです。ハワイのホテルの予約がとりにくいので、購入する人が多く、宿泊目的で購入されています。

⑥ 商業ビルへの投資は、ホテルやゴルフ場への投資となる為、多額のお金が必要となります。

 物件選びでは、立地、建物の老朽化、建物の調査、管理費などを注意深く見る必要があります。加えて、注意すべき点の一つとして、購入建物における借地権の有無があります。借地権がある場合、「建物の所有者」と「土地の所有者」が異なります。「土地の所有者」から土地を借りた者は、土地の利用権を獲得します。土地の利用権を得れば、建物を作り、建物を所有することができます。当然、借地権者(建物の所有者)は毎月地代を土地の所有者に支払わなければなりません。借地権付きの土地を「底地」と言います。建物の所有者は借地権者でありますが、「底地の所有者」ではないのです。借地権付きの建物の売値は、土地の所有権が含まれていない為、周辺相場より安く設定されています。しかし「底地の所有者」がいる為、建物購入者は制限を受けます。借地権の契約期間が終了すれば、再契約する必要があります。底地の所有者の事情によっては、借地権の返還を要求される事態もあります。一方、借地権の無い建物であれば、建物と土地を同時に購入する為、外部から制限を受ける事態がありません。ただし土地の所有権を含むので、購入価格は高くなります。