クラブのホステスからソープ嬢への経路

 ソープランドで働く女性(ソープ嬢)に至る経路として、クラブのホステスからのケースが結構あります。接待飲食店のクラブで働くホステスは、「夜の世界」に飛び込んだ代償として、高級な収入を得ている印象があります。しかし実態は厳しい側面もあります。風俗嬢の場合、男性客が性的欲求の解消を優先している為、性的サービスさえこなせば業務を果たすことができる。もちろん風俗嬢もリピーター客をつかむことが重要なので、性的サービス以外の会話や応対なども丁寧にする必要があります。とはいえ「性的サービスの行使」が風俗嬢に、第一に求められる能力です。一方、クラブのホステスの場合、ホステスの容姿、会話能力、応対などで、男性客を惹きつける必要があります。「客を惹きつける接客力」がホステスに、第一に求められる能力です。しかし「客を惹きつける接客力」は、ホステスの間で優劣の差が明確に出る能力です。「性的サービスの行使」は精神的負担と肉体的負担に耐えれば、遂行することは難しいことではありません。一方、「客を惹きつける接客力」は多様な能力や要素が必要な為、遂行できる人が限られてきます。

*今回記事を作成するにあたり『フーゾク資本論 なぜセックスは「巨万の富」を生むのか?』(岩永文夫、2015年、文庫ぎんが堂)の情報を参考にさせて頂きました。

 ホステスは客のツケた料金(売掛金)を回収する役割を店側から担わされています。売掛金を回収できないと、ホステスが自ら売掛金を店側に支払う仕組みになっています。またホステスは仕事で必要な服やアクセサリーを自ら揃える必要があります。資金がない場合、ホステスは店側から借金します。仕事をこなせないホステスは、店側に大きな負債を持つことになります。店側は非情にもホステスに対する債権を街の金融屋に流します。街の金融屋から厳しい取立てにあったホステスの中には、ソープランドで働くことを選ぶ人がいるのです。

 ちなみにソープランドにおいて、ソープ嬢は「個人事業者」として名目上位置づけられています。ソープランド店とソープ嬢の間に雇用関係はないのです。ソープ嬢はソープランド店の個室を借りているのに過ぎません。ソープランドの入浴料は店側の収入に、サービス料はソープ嬢の収入になります。しかしソープ嬢は店側からローション、タオルなどを購入する仕組みになっています。サービス料金を全てソープ嬢が手にする訳ではありません。