バッタ屋

 メーカーは通常、製造した商品を問屋もしくは小売に供給します。しかしメーカーの新製品販売時になると、メーカーの旧製品における問屋や小売からの需要は減っていきます。旧製品は在庫となり、メーカーに倉庫代がかかってきます。在庫となった旧製品はメーカーにとって、正規の流通経路に流せない、また在庫として費用を生む、扱いに困る存在です。メーカーが扱いに困る商品を安く引き取り、メーカーの在庫処分の役割を果たしているのがバッタ屋という業者です。バッタ屋は正規の流通経路に流しにくい商品を専門に扱う問屋(もしくはブローカー)です(*1)。またはバッタ商品の小売業者がバッタ屋を兼ねるケースもあります(*1)。バッタ屋が扱う商品をバッタ商品といいます(*1)。

 

 バッタ屋が扱う商品としては、メーカーの旧製品の他に、資金繰りに困ったメーカーの商品、メーカーが“バッタ商品”として製造した商品、問屋が資金捻出の為に出す在庫品、金融業者が譲渡担保で預かった商品等、多岐に渡ります(*1)。問屋や金融業にとってもバッタ屋は利用価値があるのです。バッタ屋は、仕入れた商品を、ディスカウントショップに売り、また通信販売や訪問販売にて消費者に売っていきます(*1)。バッタ屋間の売買もあります(*2)。

 

 バッタ屋は、ディスカウントショップに売る時は仕入れ値の8~20%、消費者に売る時は約40%の上乗せをします(*2)。バッタ屋間の売買であれば仕入れ値の約5%を上乗せします(*2)。一般的にバッタ屋は古物商の鑑札を持っています(*2)。正規の流通経路から逸脱したバッタ商品は「古物」扱いに日本ではなるからです(*2)。古物商の鑑札は自宅か店の所在地の警察の防犯課に申告すれば、前科などがないことを確認された上で、一週間程度で鑑札は渡されます(*2)。

 

 バッタ屋として成功する為には、豊富な情報網が必要となります(*2)。メーカーや問屋、金融業者の表には出しにくい情報(資金繰りに困っている情報は、どの会社も表には出したくない)が入ってくるような情報網を有していないと、バッタ屋はバッタ商品をそもそも仕入れることはできません。裏事情に精通した人間が求められます。一方、仕入れたバッタ商品を高く買い取ってくれる業者をバッタ屋は数多く知っていなければなりません。誰もができる仕事ではありません。

 

<引用・参考文献>

*1 『DATAHOUSE BOOK 031 悪い金儲け』(高原明光、2005年、データハウス), p72~73

*2 『DATAHOUSE BOOK 031 悪い金儲け』, p74~75