山口組の動きも活発的に

 9月12日午前10時頃、神戸市長田区で任侠山口組トップ織田絆誠達が拳銃を持った男達に襲撃される事件が起きました(*1)。織田絆誠は無事でしたが、襲撃グループの発砲により、任侠山口組の組員1名が死亡しました(*1)。襲撃グループは現在、逃走中です(*1)。今年4月、神戸山口組の脱退グループが立ち上げた組織が任俠団体山口組です(後に「任侠山口組」に改称)(*2)。当初、任侠山口組の設立は、神戸山口組の「偽装分裂」という見方もありました。目的は山口組との武力抗争で、神戸山口組に累が及ばないように、織田絆誠らのグループが意図的に離脱したという説が考えられました。

 

 しかし今回の襲撃犯が神戸山口組の者達であれば、偽装分裂の可能性はほぼ消えたと考えられます。神戸山口組と任侠山口組は、対立関係にあることが分かります。以後、今回の襲撃犯が神戸山口組の者達であるという前提のもと、話をすすめていきます。織田絆誠を守る為に射殺された組員の存在により、任侠山口組の好戦性は高まっていると考えられます。神戸山口組も簡単には引き下がらないでしょう。しかしながら、本格的な抗争は、警察当局が許しません。両団体は、今後厳しい神経戦を強いられることになります。

 

 山口組分裂抗争は、山口組、神戸山口組、任侠山口組の三つ巴の争いです。今後「神戸山口組」対「任侠山口組」の局面が最も熱くなることが予想されます。山口組は静観の構えですが、水面下では両団体の下部組織に「出戻り」のアプローチをしてくるでしょう。実際、今年4月まで神戸山口組に所属していた東京の組織(坂田組)が、弘道会の2次団体として山口組側に迎えられています(*3)。4月時点で坂田組は「神戸山口組の残留」も「任侠山口組の参加」も選ばずにいたところ、弘道会の野内組に入ることになりました(*3)。恐らく、野内組から好条件の誘いがあったのでしょう。坂田組は一旦野内組の傘下組織になりましたが、9月に弘道会の2次団体に昇格しました(*3)。「弘道会の2次団体」は、ヤクザ社会で活動する上で、良い肩書きとなります(反面、上納金は高いと考えられますが)。

 

 山口組若頭の髙山清司は現在、服役中です。出所予定は、2019年10月です(*4)。約2年後です。ヤクザ業界の中で突出した知恵者として知られる髙山清司の出所を待って、事態解決を図ろうとする人もいるでしょう。しかし山口組執行部の本音は、髙山清司の出所までに、事態を解決したいはずです。今後、山口組の動きも活発になっていくことが予想されます。

 

 

<引用・参考文献>

*1 『日刊ゲンダイ』2017年9月14日号(13日発行), p5

*2 『別冊 実話時代 龍虎搏つ!広域組織限界解析Special Edition』(2017年6月号増刊), p21-23

*3 『週刊実話』2017年9月28日号, p35

*4 『実話時代』2017年5月号, p21