ホテトルとマントル

  紹介風俗の1つに、ホテトルとマントルが挙げられます。ホテトルとは「ホテルでトルコ」、マントルは「マンションでトルコ」を略した言葉です(*1)。本番行為が実質行われているソープランドは昭和の時代「トルコ風呂」と呼ばれていました。風俗業界において「トルコ」は本番行為を示す言葉として用いられてきました(*2)。ホテトルは、客から電話を受け女性を送り出し、シティホテルやラブホテルにおいて客と本番行為を致すサービスを行います(*3)。マントルは本番行為を致す場所がマンションとなります。日本で実質本番行為をしているにも関わらず、合法領域に留められている風俗サービスはソープランドのみです。つまりホテトルとマントルは違法風俗となります。ホテトルの形態は、派遣風俗のデリヘルと変わりません。建前上、ホテトルとデリヘルの違いを分けるのは、存在が合法的か否かということです。ホテトルの存在は違法的であり、デリヘルは合法的です。

 

 ホテトルとマントルの集客策として、公衆電話ボックスの壁面に貼る小型チラシがありました(*4)。携帯電話のない時代、外出時の連絡手段として、公衆電話ボックスを利用されていました。人が頻繁に訪れる公衆電話ボックスは広告効果が高い場所でした。しかし公衆電話ボックスの壁面にも限りがあり、業者間での競争が激化すると、他の小型チラシを剥がし自分達の小型チラシを貼る可能性があります。小型チラシを巡る公衆電話ボックスの「縄張り調整」が求められてきます。当然、公にはしにくいことなので、広告代理店や警察当局に調整をお願いすることはできません。よってヤクザ組織の仕事となりました。当時東京の盛り場において、ホテトルやマントル業者のミカジメ料は、小型チラシなしの営業のみで月額3万円以上、小型チラシありで月額5万円以上でした(*5)。

 

 現在ホテトルの集客策としてとられているのが、出会い系サイトの利用です(*6)。出会い系サイトを利用する男性はセックスを目的にしている場合が多いです。ホテトル側にとって、見込み客が多く存在している場である為、利用する価値は多いにあるのです。中国地方最大の歓楽街・薬研堀広島市)の違法風俗として有名なのが、マントルです(*7)。ポン引きがマンションで女性を待機させて、客に数部屋をノックし顔見せを行わせる仕組みがとられています(*8)。

 

<引用・参考文献>

*1 『フーゾク資本論 なぜセックスは「巨万の富」を生むのか?』(岩永文夫、2015年、文庫ぎんが堂), p230~231

*2 同上, p231

*3 同上, p230

*4 同上, p231

*5 同上

*6 同上, p233

*7 『週刊実話』2016年5月12・19日号「全国ネオン街ワイド最新版」, p228

*8 同上