違法領域の資金獲得に力を入れこなかった國粋会

 長年独立組織として活動してきた國粋会は、2005年山口組の傘下に入ります(*1)。國粋会は連合型の組織形態をとる1次団体でした(*2)。また國粋会は都内の繁華街に多くの縄張りを持っていました(*2)。2次団体の多くが老舗博徒組織であることが背景にあります(*2)。國粋会を構成する2次団体の生井一家は銀座、落合一家は渋谷や六本木を縄張りとしていました(*3)。しかしながら國粋会が都内の繁華街を「全面的支配」していた訳ではありません。國粋会は住吉会など他団体に繁華街の縄張りを一部貸し出していました (*4) 。関東ヤクザ社会において、貸し出している縄張りは「貸しジマ」と呼ばれます(*5)。借りる組織は「縄張りのオーナー組織」に地代を払います(*5)。

 

 國粋会には「縄張りのオーナー」組織として地代収入がありました。地代収入という安定的な資金源があった影響か、國粋会は違法領域の資金獲得に力を入れてきませんでした(*6)。國粋会の縄張りの1つに浅草があります(*7)。國粋会の本部事務所は東京都台東区にあります(*2)。台東区にある日本有数のソープ街・吉原と國粋会に何らかの関係があることは想像に難くありません。実際、國粋会は吉原のソープランド店から資金を吸い上げてきました(*6)。國粋会はソープランド店から直接ミカジメ料をとる方法以外に、間接な方法も用いていました。ソープランド店にローションを販売する形で、ミカジメ料を徴収する方法です(*6)。ソープランド店は「割高なローション」を買うことで、ローションを販売する会社の後ろに控えている國粋会にミカジメ料を払います。摘発されにくい方法です。また國粋会のフロント企業は健全経営なところが多かったと言われています(*6)。しかし暴対法の指定暴力団には、1994年5月に指定されていました(*2)。

 

<引用・参考文献>

*1 『別冊 実話時代 龍虎搏つ!広域組織限界解析Special Edition』(2017年6月号増刊), p32

*2 『洋泉社MOOK・ヤクザ・指定24組織の全貌』(有限会社創雄社・実話時代編集部編、2002年、洋泉社), p160-165

*3 『現代ヤクザ大事典』(実話時代編集部編、2007年、洋泉社), p42-43

*4 『六代目山口組ドキュメント2005~2007』(溝口敦、2013年、講談社+α文庫), p107-108

*5 『実話時代』2014年8月号, p40

*6 『極道のウラ情報』(鈴木智彦、2008年、宝島SUGOI文庫), p239-241

*7 『六代目山口組ドキュメント2005~2007』, p46