政治的駆け引き

 

 ヤクザ組織が他組織を傘下に収める方法として、主に①武力抗争を用いた吸収、②政治的駆け引きによる吸収の2つがあります(*1)。組織の優劣を決める手段として、武力抗争が大いに認められているのがヤクザ社会です。ヤクザ組織は頻繁に他組織と武力抗争を起こしてきました。抗争の結果、組織維持が困難になった組織は解散し、構成員が相手側の傘下に入るという場合が多いです。1960年、山口組と明友会の抗争の結果、明友会は解散に至りました(*2)。その後、明友会の一部の構成員は山口組に入っています(*2)。

 

 一方、武力抗争を起こさずに、他組織を吸収する際に用いられるのが政治的駆け引きです。政治的駆け引きの1例としては、以下があります。経済的苦境に陥っている他組織に資金提供する形で介入、跡目候補も懐柔していき、間接的に他組織を「操作」していく方法です(*1)。武力抗争を用いないので、構成員を死や怪我に至らせずに、また刑務所に送り出さずに済みます。人的被害は少なく済むのがメリットです。

 

<引用・参考文献>

*1 『洋泉社MOOK・勃発!関東ヤクザ戦争』(有限会社創雄社『実話時代』田中博昭編、2002年、洋泉社), p50

*2 『血と抗争 山口組三代目』(溝口敦、2015年、講談社+α文庫), p109-112