加藤連合会トップの住吉会執行部入りから透けて見えてくること

 

 インターネットサイトYAKUZA Wikiによれば、住吉会の人事が最近更新された模様です。誤った内容が書き込まれることもあるYAKUZA Wikiですので、情報は確定的ではありませんが、注目点がありました。

 

 加藤連合会トップ小坂聡の住吉会風紀委員長の就任です。加藤連合会は、住吉会の中で最も好戦的集団とされる幸平一家(東京板橋区)の下部団体です(*1)。幸平一家は2002年9月歌舞伎町風林会館の飲食店「パリジェンヌ」で中国マフィアグループと騒動を起こし、幹部2名が拳銃で殺傷されました(*2)。幸平一家は翌月の10月に中国マフィアグループのメンバー1名を殺害、報復しました(*2)。中国マフィアグループと対峙する組織の1つが幸平一家だったことが窺い知れます。幸平一家の中で、歌舞伎町で最も有名な組織が加藤連合会です。加藤連合会は、現在の幸平一家トップ加藤英幸が新宿で結成した組織です(*1)。結成時の組織名は、加藤総業でした(*1)。

 

 後に、加藤総業は加藤連合と改名して、新宿歌舞伎町で大きな影響力を及ぼす組織となりました(*3)。山口組の東京進出組織や中国マフィアグループは、歌舞伎町において加藤連合には「配慮」を示していたと言われています(*3)。2004年4月加藤連合傘下組織堺組の組員が山口組山健組太田興行の組員を射殺する事件を起こしました(*4)。事件後、山口組との全面抗争に発展することはなく、和解に至りましたが、加藤連合が山口組系組織と拮抗する組織だったことが分かります。2007年2月、住吉会の小林会幹部が山口組側に射殺される事件が起きた際、加藤連合の幹部達が小林会の活動拠点である銀座に応援に行っていました(*5)。

 

 幸平一家の有力下部団体として、加藤連合会のほかに、堺組や義勇会があります(*6)。堺組は新宿と東中野、義勇会は歌舞伎町を活動範囲としています(*6)。堺組は先述した組織です。2004年時点で堺組は加藤連合内の組織だったのです。2004年以降、堺組は加藤連合から内部昇格する形で、「幸平一家2次団体」に至ったと考えられます。トップ加藤英幸や有力団体・堺組の輩出組織、歌舞伎町における活動実績を踏まえると、幸平一家の中で加藤連合会の位置は相当高いことが考えられます。

 

 小坂聡が就任する風紀委員長は、住吉会の執行部職です。加藤連合会は住吉会3次団体であり、3次団体トップが1次団体執行部入りを果たしたのです。今回の人事情報からも、加藤連合会の勢力が大きいことが窺い知れます。加藤英幸も幸平一家トップになる前の2005年に、風紀委員長に就任しています(*1)。加藤英幸が幸平一家トップ職の総長に就任したのは20007年です(*1)。加藤英幸も3次団体トップ時代に、1次団体執行部入りを果たしたのです。過去の経緯を踏まえると、幸平一家次期トップが誰なのか透けて見えてきます。

 

<引用・参考文献>

*1 『別冊 実話時代 龍虎搏つ!広域組織限界解析Special Edition』(2017年6月号増刊), p91

*2 『歌舞伎町・ヤバさの真相』(溝口敦、2012年、文春新書), p235-237

*3 『六代目山口組ドキュメント2005~2007』(溝口敦、2013年、講談社+α文庫), p244

*4 『洋泉社MOOK・山口組・東京戦争』(有限会社創雄社編、2005年、洋泉社), p19

*5 『六代目山口組ドキュメント2005~2007』, p277-278

*6 『新装版 ヤクザ崩壊 半グレ勃興―地殻変動する日本組織犯罪地図』(溝口敦、2015年、講談社+α文庫), p20