覚醒剤と長距離運転手

 

 覚醒剤に手を染めてしまう長距離運転手(バスやトラック運転手)が一定数います。目的は居眠り運転を避ける為です(*1)。覚醒剤は元々、第二次世界大戦中、戦場での兵士の士気高揚、軍需工場での労働者の生産性向上の為に、用いられていました(*2)。文字通り「覚醒」させることが、主目的として使われていたのです。戦後の博打場でも水溶液の覚醒剤がどんぶりに入れられて、無料で客に提供されていました(*3)。胴元側は、客の疲労を軽減させて、さらに多くの博打を打たせる狙いがあったと考えられます。

 

 巷間言われているように、覚醒剤使用目的の1つに、性行為時の快楽増大があります(*4)。しかし男性の場合、覚醒剤使用により短時間に射精が何度も可能になることはなく、「射精時の快楽」に至るまでの時間が長くなると言われています(*4)。一方、女性は快楽を受けやすいと言われています(*4)。

 

 1970~1980年代長距離トラック運転手が覚醒剤を眠気覚ましに使用していることが問題となりました (*1)。覚醒剤の供給側は、長距離運転手に覚醒剤の需要があることを知って、高速道路のサービスエリアに売人を配置しています(*1)。業務遂行の為に、覚醒剤を使用することも当然法律違反です。長い期間で考えれば、覚醒剤の使用は心身を破滅させ、運転手として働けなくなります。

 

<引用・参考文献>

*1 『日刊ゲンダイ』2017年4月27日号(26日発行), p2

*2 『薬物とセックス』(溝口敦、2016年、新潮新書), p53

*3 『ヤクザ1000人に会いました!』(鈴木智彦、2012年、宝島SUGOI文庫), p94

*4 『薬物とセックス』, p 60-61,145-146