総裁

 

 2018年8月現在、指定暴力団(全24団体)のヤクザ組織で、総裁職を置いているのは松葉会(台東区)、俠道会(尾道市)、共政会(広島市)、工藤会北九州市)、浪川会(大牟田市)の5団体です。

 

 松葉会総裁は荻野義朗(2014年~)です (*1)。俠道会総裁は池澤望(2018年~)です (*2)。共政会総裁は守屋輯(2018年~)です(*2)。工藤会総裁は野村悟(2011年~)です(*3)。浪川会総裁は浪川政浩(2018年~)です (*4)。

 

 5人とも総裁職に就く前に、組織トップの会長職を務めていました。会長在任期間は、荻野義朗が2009~2014年 (*1)、池澤望が2001~2018年(*5)、守屋輯が2004~2018年(*6)、野村悟が2000~2011年(*3)、浪川政浩が2008~2018年でした(*4)。5人とも長期政権でした。

 

 ヤクザ業界では前トップが総裁職に就くことはよくあり、稲川会の稲川聖城(トップ期間:1949~1986年、総裁期間:1986~2007年)(*7) (*8)、住吉会の西口茂男(会長期間:1991~1998年、総裁期間:2002~2005年)(*9)の例が有名でした。

 

 ヤクザ社会における「総裁」は、実力のあった前トップが就く「名誉職」の位置づけであると考えられます。総裁制度の短所は、組織内に二重権力を生んでしまうことです。「前トップ権力」と「現トップ権力」衝突の危険性があります。

 

 俠道会の池澤望総裁と共政会の守屋輯総裁は、会長職は後進に譲りましたが(俠道会佐藤光司会長、共政会荒瀬進会長)、「組織トップ」の位置に居続けています(*2)。

 

<引用・参考文献>

*1 『別冊 実話時代 龍虎搏つ!広域組織限界解析Special Edition』(2017年6月号増刊), p81

*2 『実話時代』2018年9月号, p32

*3 『別冊 実話時代 龍虎搏つ!広域組織限界解析Special Edition』, p65

*4 『週刊実話』2018年4月26日号, p37-39

*5 『別冊 実話時代 龍虎搏つ!広域組織限界解析Special Edition』, p76

*6 『別冊 実話時代 龍虎搏つ!広域組織限界解析Special Edition』, p69

*7 『洋泉社MOOK・ヤクザ・指定24組織の全貌』(有限会社創雄社・実話時代編集部編、2002年、洋泉社), p32-40

*8 『別冊 実話時代 龍虎搏つ!広域組織限界解析Special Edition』, p54

*9 『実話時代』2017年5月号, p24-26